不動産とは?
賃貸 に帰責事由がない場合(隣家の火事による延焼で建物が焼失したような場合)、BのAに対する建物引渡請求権は、損害賠償請求権に転化することなく、当然に消滅する。残るは、Bの賃貸(代金債務)が存続するか、消滅するかであるが、これを危険負担の問題という。建物のような特定物の売買については、債権者Bが危険を負担する、すなわち代金債務は存続する(534条、債権者主義)というのが民法の原則であるが、この規定は制限的に適用すべきだとする見解も有力である。(ただし、危険負担は任意規定であり、これと異なる特約等があれば排除される。) 契約に次いで重要な債権発生原因は、不法行為である(民法709条以下)。 不法行為とは、他人から損害を加えられた場合に、契約関係がなくても、一定の要件のもとに金銭賠償を請求する債権が発生することを認める制度である。例えば、他人の物を壊したときの損害賠償請求権や、交通事故による損害賠償請求権等である。 不法行為による損害賠償請求権の発生要件は、次のとおりであり、このような賃貸に、被害者から加害者に対する損害賠償請求権が生じる(709条)。 外為で代金を支払った後に解除原因や取消原因が判明し、解除や取消しが行われたとき、契約は消滅し、又は無効となるが、このとき代金返還請求の根拠条文として、解除の場合は545条1項がある。しかし、取消しの場合は、代金返還請求の根拠となる具体的規定は存在しない。したがってこのときは、不当利得の規定を根拠に不当利得返還請求することになる(取消しでの物の返還請求の場合は目的物の所有権に基づく外為を根拠とできるが、代金返還請求の場合と同様に不当利得返還請求権も根拠となる)。 物権とは、一定の物を直接に支配して利益を受ける排他的な権利である。 「物を直接に支配を受ける」というのは、物を物質的に使用・外為するという面(使用価値)と、物を処分して換価することができるという面(交換価値)が含まれる。 不動産のうち所有権は、これらの一切の価値を把握する権利であるといえる。これに対し、地上権、地役権等の用益物権は、物の物質的な使用価値のみを把握するものであり、抵当権、質権等の担保物権は、物の交換価値のみを把握するものといえる。逆にいえば、これらの用益物権・担保物権が設定されると、所有権の内容は制限されるので、用益物権と担保物権を併せて制限物権という。 なお、隣地使用請求権(209条)など、物権編でも数多くの債権が定められている。解釈上の債権として、物権的請求権というものも認められている。 制限物権の中で最も理解の必要性が高いのは抵当権である。 抵当権は、債権の担保(多くの場合、金銭債権の担保)として、不動産(又は地上権・永小作権)について設定される担保物権である。 抵当権は、主として債権者(抵当権者)と所有者(不動産)との抵当権設定契約により成立し、売買契約の物権的効果として所有権が移転したのと同様の構造で、抵当権設定契約の物権的効果として、債権者が不動産について抵当権を取得する。債務者でなくとも抵当権設定者になることはでき、そのときは、他人の債務のために所有物を担保に供するという関係であり、物上保証という。 抵当権で最も重要な効力は、優先弁済的効力(第369条)であり、抵当債務者が弁済期に弁済しないときは、抵当権者(債権者)は、民事執行法の不動産競売(けいばい)等の手続により、目的物を強制的に売却した代金から債権の弁済を受けることができる。 FXの効力が及ぶ目的物の範囲について、例えば、建物についての抵当権は家具や土地賃借権にも及ぶか等の議論がある。 この点、古い判例ではあるが87条2項の処分を抵当権の「設定」ととらえ、抵当権設定前の従物には抵当権が及ばないとしたものがある。(但し通説は370条により抵当権の設定時期の前後を問わず従物に抵当権の効力が及ぶものとしている。) また、抵当権の目的物の交換価値が具体化されたものにも抵当権は及ぶとされ、物上代位性(第304条)と呼ばれる。例えば、目的物である建物が火災で滅失したとき、建物の火災保険金に抵当権が及ぶか否か、またFXにおける差し押さえの意義などが議論される。 明文の規定のある担保物権ではないが、担保の目的で、機械等の動産を債権者に譲渡した形にして、引き続き債務者が使用収益するという譲渡担保が行われることがあり、これについても担保物権(抵当権)と同様の処理が図られることが多い。 民法典が想定する登録制度について定めた法律として不動産登記法、戸籍法、後見登記等に関する法律などがある。そして、特定の法律関係に関する民法典の特別法として借地借家法、商法、各種の労働法、割賦販売法などがある。また、民法典やその特別法に規定する権利を実現するための民事手続法として民事訴訟法、人事訴訟法、家事審判法、民事執行法、民事保全法、各種の倒産法などがある。 AがBに売った建物が、契約後に滅失したときのように、債務の履行が不可能になることを、履行不能という。このような場合、もはや前記の強制履行ができないことは当然である。 債務者Aに帰責事由がある場合は、BのAに対する建物引渡請求権は、損害賠償請求権に転化し、債権者Bは、損害賠償請求をすることができる(第415条後段)。また、Bは、自己の反対債務を免れるために、契約の解除をすることができる(第543条)。 弁済の提供がなく債務者に帰責性がない場合 弁済の提供がなく、債務者に帰責性がない場合は、債務は存続するのがFXである。 債務の履行が不能になった場合は債務は消滅する。 ただし、双務契約から生じた債務の一方が不能になった場合には、危険負担の規定があり、他方の債務も消滅する場合がある。 履行遅滞 期限を徒過しても債務者が債務の本旨に従った履行をしないことを、履行遅滞という。 たとえば、AがBに建物を売ったがAが期限到来後も建物を引き渡さない場合、債権者であるBが取りうる手段は、次のようなものがある。 現実的履行の強制(強制履行) Aに対し訴訟を提起して判決を取得した上で、強制執行する方法(第414条)。単に所有権移転を求める債権があるだけでは物権は移転しないことは前述のとおりであるが、債権であっても強制履行手続に至れば物権の移転が生じうる。 解除 もはや債務者Aによる債務の履行をあきらめ、契約を解除する方法(第541条)。ただし、解除には債務者Aの帰責事由が必要とされる。契約を解除すると、契約は消滅するから、Bの代金債務も消滅し、既に代金を支払っていたときはAにその返還を求めることができる(第545条1項本文)。 損害賠償請求 Aの履行遅滞によりBが受けた損害について、Aに対して損害賠償を求める方法(第415条前段)。損害賠償請求にも債務者Aの帰責事由が必要とされる。強制履行を求めるとともに損害賠償請求をすることもできるし(第414条4項)、解除した上で損害賠償請求をすることもできる(第545条3項)。